宇宙機の品質は、完成後には見えなくなります。だからこそ、組立中に何をどの粒度で記録するかが、後々の運用品質を決めます。

見えなくなる作業ほど記録する

締結トルク、清掃履歴、ハーネス経路、熱制御材の貼付条件、検査写真をロット情報と結び、後工程で追跡できる状態にします。組み上がってしまえば確認できない情報こそ、作業のその場で残す価値があります。

記録は解析の起点になる

トレーサビリティは監査のためだけではありません。軌道上で異常が出たとき、製造時の判断を再現できることが解析の起点になります。「いつ・誰が・どの条件で作業したか」をたどれることが、原因切り分けの速さを決めます。

粒度は設計段階で決める

記録は多ければよいわけではなく、後で使える粒度であることが大切です。何を残せば運用で役に立つかを設計段階で決めておくことが、現場の負担を抑えつつ運用品質を支えます。記録の設計もまた、宇宙機の設計の一部です。