月周回や深宇宙実証では、低軌道のように「すぐ地上から直せる」前提が崩れます。設計に持たせる余裕の置き方が、ミッションの成否を分けます。

異常時まで含めて設計する

通信遅延が大きく、地上から即時に介入できる場面が限られます。そのため、電源設計と熱設計には、通常運用だけでなく異常時の復帰シナリオまで含めた余裕が必要です。最悪条件で何分・何ワット持つかを、設計段階で数値として持っておきます。

電源と熱を一体で評価する

当社では、冗長化した電源系と、姿勢変化時の熱収支を組み合わせて評価します。電源だけ、熱だけで余裕を見ても、姿勢が変わった瞬間に両方が同時に厳しくなる場面を捉えられません。最も厳しい条件が重なる点を探して設計余裕を決めます。

運用手順も設計の一部

運用手順も設計の一部と考え、軌道投入前から復帰手順を検証します。ハードの余裕と手順の余裕は別物であり、両方を揃えて初めて深宇宙で戦えます。地上で復帰手順をなぞれる状態にしておくことが、本番での判断を支えます。